恐竜

恐竜あるいは恐竜類は恐竜様類に属する爬虫類の一群である。中生代三畳紀に現れ、中世代を通じて繁栄した。多様な形態と習性のものに適応放散し、陸上動物としては非常に大きくなったものもあったが、約6600万年前の白亜紀新生代との境に多くが絶滅した。なお、アラモサウルスなどの一部の属については、この後もしばらく生き延びていた可能性を主張する研究者もいる。鳥類は恐竜の子孫だという見方があったが、獣脚類の一部は現在も鳥類として繁栄しているとする説が主流となっている。

古典的分類では爬虫網-双弓亜網-主竜形下網に属し、分類階級は上目とされてきた。なお、系統樹に基づく分岐学的観点から、単に「恐竜」と呼んだ場合、学術的には「鳥類」を含める。このため、上記の分類群(恐竜から鳥類を除いたグループ)を指す上では、より厳密な「非鳥類型恐竜(non-avian dinosaur)」の使用が学術論文を中心に見られる。たたし一般に「恐竜」といえば鳥類を除いたものを指すケースが多く、依然分類群としても簡便で有用である。よって本項では特に言及のない限り、「恐竜」といえば「非鳥類型恐竜」を指すものとする。

大衆的に恐竜の一眼としてイメージされやすい翼竜、魚竜、モササウルス、首長竜などは恐竜に含まれない。ただし、翼竜は恐竜のや鳥類・ワニと同じく主竜類に属し、恐竜とは「姉妹群」の関係にあたる。その一方、首長竜や魚竜、モササウルス類などの水棲爬虫類は系統上、恐竜とは遠いグループに属する。

★進化史

○恐竜の登場と初期進化

恐竜は、祖先的な双弓類から進化した群で、直接的祖先は初期主竜類(かつては槽歯目としてまとめられていた)中の一群、鳥頸類の一群とされる。このグループには恐竜の他には翼竜などが含まれている。このグループは、初期段階から二足歩行へと移行しつつある携帯を持っており、最初期の恐竜は既に二足歩行を獲得していた。なお恐竜は三畳紀当初は生態系の10%前後を占める程度の弱小勢力であったが、三畳紀後期から緩やかに獣弓類やクルロタルシ類から主役の座を譲り受け、以降の繁栄を築いた。

★恐竜と鳥類

鳥類が恐竜から進化したことが確実視されるようになったことで、「恐竜は絶滅していない」「絶滅を逃れて進化した恐竜が鳥類である」という観点を立てることができる。そのような観点からはむしろ「何故恐竜(鳥類)は、白亜紀末期の大絶滅を免れ、生き延びたのか?」という疑問が成立するといえる。