ナイアガラの滝

ナイアガラの滝(英語:Niagara Falls)は、エリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川にある滝。カナダのオンタリオ州アメリカ合衆国ニューヨーク州とを分ける国境になっている。カナダのトロントから南南西に120km(75mi)、アメリカのバッファローから北北東に27km(17mi)の両国とも、同名のナイアガラフォールズ市(オンタリオ州側、ニューヨーク州側)に位置する。滝は豊富な水力資源と景観の美しさで知られる。

ナイアガラの滝はゴート島によって、カナダ側の国境を挟んだカナダ滝とアメリカ側のアメリカ滝からなる。アメリカ側はさらにルナ島を挟んでブライダルベール滝がある。最終氷期(最後の氷期)の後退期に形成され、五大湖の水流がナイアガラ崖線を経て大西洋に流れ込む過程にある。滝の高さはあまり高くないが幅が広く、単独で流れる滝の水量では北米で最も規模が大きい。最大毎分168,000㎥、平均毎分110,000㎥の水量が流れている。

★特徴

ナイアガラの滝は以下の3つの滝から構成されている。

○カナダ滝(落差56m、幅675m、滝壺の深さ55m)

アメリカ滝(落差58m、幅330m)

○ブライダルベール滝(落差55m、幅15m)

水量は春から初夏のピークシーズンでおよそ毎秒5,720㎥になる。夏は毎秒2,832㎥で90%はカナダ滝に流れ込むが、水力発電施設に一部、人工的に流されている。カナダ滝の上流には可動堰が設けられており、夜間の水量は日中の半分に調節されている。観光のオフシーズンになる冬の期間も水量が毎秒1,416㎥に抑えられている。アメリカ側からの眺望はほとんどが滝の背後に位置し、滝の正面や全体を眺望できるのはカナダ側になる。

★形成と侵食

1年前のウィスコンシン表記に形ができた。五大湖とナイアガラ川も同時期の氷期である。滝の発祥地点は、現在よりも11km下流にあたるオンタリオ州側のクイーンストンやニューヨーク州側のルイストンの付近に位置する。北アメリカ北部全体が氷河に覆われ、氷河が大地を削り、一方でその岩石を堆積した。氷河が溶け始めると、川が地形を作っていった。

この一帯はシルル紀の岩石が分布し、滝の最上部は石灰岩で、その下のかしら頁岩より固く削られずに残りやすい。さらにその下にはより古いオルドビス紀の頁岩と砂岩がある。1950年代までは水の浸食により年間1メートルずつ上流へ移動し、浸食が続けばエリー湖に埋没してしまうため、カナダ滝の落下水量を馬蹄形全体に均等化する工事が1960年代にかけて行われ、浸食スピードは年間3cm程度に抑えられているが、それでも2万5千年後には消滅する計算になる。